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Animal Collective in Tokyo
いや、同じようなタイトルの日記が、WEB上に溢れかえっていますけど。いいんだ、これは一種の祭だから。
本当に素晴らしかった。ここ数年間、観たくて観たくてたまらなかったものが、ようやく観れたということに感無量です。「ずっと観たかったアニマルコレクティブのライブが観れた」っていう単純な話じゃないですよ。僕が「こんなライブあればイイなあ〜」と思っていた一つの完成形を、ようやく観れたってことなんですけどね。
満杯の観客を前に、エイヴィ・テアのボーカルはもっさり(主に髪の毛)とシャキシャキ(あんな声出し続けて、よく声潰れねえなー、外人ってスゲエ)を行き来し、ディーケンのギタープレイは自由(WPU9ではこの人の物真似してました)。パンダベアはスタンディングドラムで、テクノっぽい快感原則に則って会場を煽りに煽る。で、(どこまでコントロールしていたのかは不明だけど)そのいくつかの音をルーティングしてあるに違いないジオロジストの宅で変化して垂れ流されるノイズの波。それらがすべて、too muchなディレイの水槽に糠味噌のようにつけられた音楽が渋谷o-westを覆い尽くした夜でした。
だからプレイや身振りの一つ一つから拭いきれない非常にきついノイズ味噌の香りが漂っているんですが、魅せられた者どもにとっては芳しい香りなんですね。当初の予定通り、身体をブンブン回して痙攣ダンスしてきたよ、楽しかったなあ。
ざっとWEB上に溢れている言説を洗ってみたのですが、ほぼ皆さん大絶賛でしたね。絶賛の嵐。でも、こういうライブやレコードのレビューを見て思うんだけど、なんでああいう完成されたエンターテイメント作品を前にして、「変態」「天才」と思考停止してしまうのかなあ。すっごい多いですよ。いや、現実問題、「変態」も「天才」もいるし、そうとしか言い表せない存在もあるだろうし、俺もよくそれで思考停止する罠にひっかかりますが、でもそれって目の前で繰り広げられた「表現のマトリクス」のあまりの複雑さ、あまりの重厚さを、「天才」「変態」と括る事で別の次元にうっちゃって、逃げてるだけなんじゃないかなあって思いますよ。
あれは「変態」で片付けられるようなもんじゃないでしょ。もの凄い精巧に組み立てられたシステムがあるから、どれだけ自由に遊んでも、「音楽」に復帰出来る強度が出てくるんだと思いますよ。変人が何も考えず組み立てたものではないし、特殊な趣向のものでもないでしょ。その結果産み落とされているものは、立派にパーティーミュージックだし、素晴らしいポップミュージックだと思います。
その中でも白眉だったのが「we tigers」(sung tungs収録)かなあ。僕ら(drawing4-5)もよくやる変則ダブルドラム(ディーケンがドラムセットの前からタムを叩く)に、エイヴィ+ジオロジストがボーカルで、最初はインプロなのかなと思っていると、徐々にパンダベアのぶっといコーラスが乗ってきて、例の「ケチャパート」に雪崩れ込む…というアゲアゲの展開。インプロかと思っていると、実は構成が固定された曲だった…なんていうのは日本人のなんとかっていうバンドもやってますが(…)、遊びの中からシステムの骨格が透けて見えるそんな演奏には興奮を禁じ得ないですね。(we tigerはここで観れます。そうそう、こんな感じ。)
勿論、「grass」「the purple bottle」なんかは鉄板で大盛り上がりですよ。最高。僕自身、四枚しか音源を聞いていないので既発の楽曲だったか否か、ちょっと正確な事は言えないのですが、結構中盤知らない曲だらけだったのにも関わらず(皆、曲が始まる度に様子待ちって感じ)、中だるみもせず、フルスロットルで楽しめるショーでした。
マイパルズ(ライブ行くと遭遇率高いなー)やらファインダーポップ梶山さんなどなど、色んな人に会いましたが、何人かから「絶対いると思った」的な事を言われて、それはそれで面白かったですね。アニマルコレクティブのライブに絶対いると思われている人間か、俺は。まあ、そりゃあそうか。いやー、ホント前座やりたかったのよね(きっと同様多数でしょ)。でも、そんな誰もが望んだ席に「巡り合わせ」で座る事のできたSHINDOは、責められなかったっす。あの場で演奏するのは大変だと思った。良いバンドだと思うし、技術も素晴らしいから、ただただその「巡り合わせ」に絡めとられてしまったんだなあ、思えば誰も幸せになれない人選だったなあ、と悲しい気分になる。
僕も頑張ります。
