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第二の人生
一家四人で死にかけたんですよ、ホント。
随分と一本気な田舎の直線道をのんきに走っていると、目の前にノロノロと挙動不審な軽トラック。カーブに差し掛かったところで左に曲がるようなので、運転手の弟は右にハンドルを切って追い越そうとしたんですね。前方座席には父と弟が座っていて、俺は後部座席でちょっとよそ見してたんですが、その瞬間前の二人が「あっ!」とすっとんきょうな声を上げたもんで前を向くと、120km/hを超えているのではなかろうかという猛スピードの車が横滑りしながら我々乗る車をかすめていったわけです。咄嗟に後ろを見ると、そのままその車は路肩に乗り上げて急バック、すんでのところで後続車と激突するところでしたが、後続車がなんとかブレーキで踏みとどまって事なきを得たのでした。どちらかにぶつかっていれば、どう考えても人死に出てた、というか一家四人潰れてたよなー、とか思うと結婚式の前夜祭の会場に向かっていた我々もすっかり意気消沈してしまったという次第。
いやーしっかし死も生と紙一重の所に常に待機していて、なんら特別なモノではないんだなと再認識しましたよ。と言うのも、やはりそんなこともその夜にはネタにしかなってなかったですからね。あまりに生活に溶け込みすぎていて、普段はことさら取り立てて目を向けたりしないものなんですね、死ってやつは。
札幌の町並みは帰る度にどんよりと活気の無い、まるでカウリスマキの描く町並みのような、無機質もしくはセンスの欠片もないパステル調(弟曰く「メルヘン」調)に覆われた、人のあまり住まないビルディングだらけになっていく。

夜中、ドライヴがてら小学〜高校まで暮らした道営の団地に行くと、そこにあったのはノスタルジーなんかではなく、濃厚な死の匂いだった。今住んでいる世田谷よりも明るいはずなのに、もう今は夜歩きしたくない、そんな負のオーラに満ちあふれていた。どうしても色んな不幸を思い起こすからだろうな。
車から夜の闇に降りたって、一番最初に想起したのは友達の姉の自殺。彼女が飛び降りたそのビルディングは、僕の住んだ団地の目の前に建った高層マンションだった。倦怠感〜絶望感〜諦念から来る楽観が札幌の街を覆っていたように見えたのは、街をマンションが埋め尽くしていたからかもしれない。

GLADIATOR ROAD TO FREEDOM REMIX
でもこの三日間、俺と弟が夢中になったのは、PS2『グラディエイター』で壮惨な殺し合いをすることだった。このゲーム、信じられないぐらい良くできたアクションゲームで、格闘ゲームとも言えるし、育成シミュレーションでもあるし、RPGとも言える。しかし俺の持論から言えば、ゲームが大規模に、より現実と近くなった当然の帰結点として、ゲームにおける全てのジャンルは融解して結合するから、そういう意味でも完璧に近いゲームなのかも知れない。
実に地味。奴隷剣闘士が自由を賭した戦いを繰り返すゲームなのだが、特殊なエフェクトが見られるわけでもなく、自分の命と比して敵の命が軽いわけでもなく、ただただ等しく重い。故に対戦なんかでは特に、プレイにもの凄い緊張を強いられる。その中で、相手の攻撃を切っ先でかわしたり、剣で牽制しつつ頭への重い一撃を狙ったり、大振りの隙を狙って後ろに回り込んだり、背後からの防ぎようのない攻撃を振り返りざまのパリーではじき飛ばしたり、足を執拗に狙ったり…というアクションを繰り返して斬り合うのは、要求されるものがとてつもなく多く、故にとてつもなく楽しい。来月買おう。

友達に挨拶も出来ないぐらい忙しい帰省だったが、楽しかったなあ。弟←→俺、父←→俺の、想像を絶する軽薄さを誇るやりとりも久々に楽しんだし、俺にとって最もノスタルジックなメニューの一つ、母親特製の「紅茶ゼリー」も、6個ぐらい食べました。ところで主目的は従姉妹の結婚式に出席することだったのだが、一切その話が無いのもすごいね、この日記。ってところで、いよいよ寝る。
※写真は弟ね

cybeck
05.09.23 23:03
冒頭の件、マルホランド・ドライブを彷彿としました…