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『マルホランド・ドライブ』をネタバレしながら考察してみる!

なんか、会社でも2ch紐解きながらphpを書きまくり、帰ってきてもメールの対応で大半を追われ、他の創作活動を満足に出来ない状態であれなんだが、今日は約束通り『マルホランド・ドライブ』の事を書いておこうと思うのよ。だってさあ、最初に見終わったときは、あまりに謎だらけで、しかもそれが一向に解決しないまま終わってしまったので、モニターの前で思わず「トホホ…」と発声してしまったよ(「…」の部分まで正確に、届け俺の想い…)。でも、カタルシス最悪なのに感動しているのは、その底抜けに深い描写力と狂った世界観のせいなのだな、ととりあえず軽く咀嚼して、もう朝の5時とかだったので、軽く雑務こなして寝た。

そしたらさあ、夢見が悪くて三回ぐらい飛び起きたんですよ。はっきり映画の光景〜シークエンスが脳内で再現されて、「あ!あれだ!」とか思った時には、その解決の端緒のような細い尻尾は無意識の中に飲み込まれていってしまっているわけ。で、もんどり打って、次の日にもう一回見た。そして深〜あく咀嚼してみた。

結局、「これだ!」っていう正確な解は見つからなかったが、勿論この世界観ってそういう数学的な野暮なモノではないし、そもそも僕自身そういう風に映画を「解く」ことは基本的にしないので、単に思いついたことを羅列することにして、そうすることで最大の謎「結局この物語はなんだったのか?」という漠然とした命題に、同じぐらい漠然とした解の鍵を差し込むことが出来れば良いなーと思ったのだ。そうすれば、おそらく不眠からは開放されるだろう、と。


マルホランド・ドライブ
★★★★

リンチ自身も言うように、「自分の感覚を信じろ」ってね。そして以下は多分ネタバレです。(いや、ホント未見の人は、以下読まない方が良いっすよ。何も知らない状態で見ると、本当ショック+ポカーンとするから)


※とりあえず言っておきたいんですが、ナオミ・ワッツ、イイネ!「リング」主演女優というだけではピンと来ない色気と雰囲気持ってて、そして普通に可愛いね。

※まず、話の構成なんですが、「女優を目指してハリウッドにやってきたペティが、マルホランド・ドライブで事故に遭い、結果記憶を喪失してしまったリタの記憶を探る」という前半部、そして「カミーラという有名女優に恋をしているダイアンが、嫉妬のあまり殺人を依頼する」という後半部から成り立っており、前半部ではペティだった女性は後半部ではダイアンで、前半部のリタは後半部のカミーラなんですよね。

※前半部のラストでブルーボックスに鍵を差し込んでから、ペティがダイアンに変わり、リタはカミーラに変わるのですが、後半部で語られるのはオープニングの事故の話であって、リタ(事故にあった女性)=カミーラ(ダイアンに誅殺される女性)は同一人物だから、前半と後半を逆転させると話は通じる(下のように見える)。

※だが、前半でアパートの管理人だったココは、後半でアダムの母親になっているし、映画監督アダムの周辺も前半と後半では全然違う状況なので(前半では既婚者だったが、後半で婚約を発表する)「これはどちらかが現実の話ではないな」と簡単に推測できる。

※するとどちらかが、「誰かの主観による」「夢〜妄想」なのであるが、では「誰の」夢なのだろうか。可能性あるのはやはり、ダイアン(ペティ)〜カーミラ(リタ)の二人だろうが、これはダイアンだろうね。ダイアンの想いを機軸に、外側から見たときに「カミーラ=リタ」という女性の立場が揺れ動かされるというのが、この映画のメロドラマに直結するアイディアなのだろう、と推測するからだ。

※もう一つ、バラバラになった時間軸の事を考えますよね。前半と後半が見事に入れ替わっている(後半で計画された殺人は、前半で実行される)のは基本的なところだけど、もっと重要だと思ったのは、暗殺者のチンピラに「成功したら渡す」と言われていた青い鍵が、後半開始直後のダイアンの部屋にあったこと。後半〜前半という単純な流れではなく、後半(の後の方)〜前半〜後半(の最初の方)という時間軸が考えられますよね(但し最後の最後とか考えると、もっと複雑なはず)。後半はダイアンがドアのノック音で目を覚ますところから始まっていて、要するに夢から醒めたことが示唆されているんだけど、これが何の夢だったか???何からの覚醒だったのか??

※それからブルーボックスですけど、ブルー/レッドの対比が実に頻繁に登場していて、この対比構造って、夢と現実の境を表現しているような気がします。例えば、ペティとリタが導かれる場末のクラブ「シレンシオ」は、照明が当たると青から赤に色を変えるのが印象的だった。そこで、二人は夢と現実を倒置する術を掴んだのではないかな?とこれは根拠薄弱な推測。

※前半が夢である、と考えるのは、前半にしか登場しないキャラクターが演じている、実に奇妙な役割のせいなんですよね。それは例えば映画会社の奥にいた「例の」小人なんですけど、彼(赤い部屋に鎮座している彼を外界と結ぶのは、青いインターフォンだった)はその会社で起こっていること(アダムにカミーラを起用することを強要して、拒絶されたこと)の報告を受け、それに対して逆に判断を促し、結局最初の決定に頑なだった。この動きって、実に人の思考の過程に似ていると思うのです。

※恐らく彼の組織が、アダム(後半でダイアンからカミーラを奪った男)に、カミーラ(後半でダイアンの目の前ではカミーラと熱い口づけを交わす女性が前半ではカミーラと呼ばれる)を極めて強引な手段で映画に起用させるのだが、こうした一連の動きは、ダイアンの夢に介入する「無意識」の動きなのではないかと思う。例えば、前半で起きる事故は、会社の上層部から後半のダイアンの部屋の電話に報告されるのですよね。更に言えば、もう一人電話を取った男、例のカウボーイこそ、「無意識」と「外部」の仲介者だったのじゃないかな。

※何故前半のアダムはカミーラを映画に起用しなければならなかったか。ダイアンは何故夢の中でそうしむけるのか。もうこれは様々な邪推が可能なので、何とも言えないなあ(そこで強要されるのはカミーラという名ではあるが、後半の嫉妬対象とは違うわけだし、その行為は結果として理想の女優像としての前半のペティの夢を妨害するのだし)。

※というだけでも、穴だらけ言及漏れ多すぎで納得の行かない解釈でしょうが、まあもう一回じっくり見てみることとして、とりあえずの僕の解釈はこんな感じ。
前半はダイアンの夢。理想的なダイアンである「ペティ」(殺し屋との打ち合わせの際に目にしたウェイトレスのネームプレートから拝借)、同じくダイアンにとって都合の良い理想的な女性「リタ」、そしてアダムが、ダイアンの「無意識」そして両者を仲介する「カウボーイ」によって操作/翻弄されながらダイアンの意識の中枢まで近づく物語。
後半は現実の断片。ここではまず現実(ダイアンのカミーラへの愛、そして嫉妬)が描かれ、そして更にその結末(事件の発覚〜ダイアンの死)までが描かれる。ブルーボックスとその鍵は、クラブ「シレンシオ」、組織といったダイアンの意識下にある夢と現実の境界を乗り越えるための「扉」、そして「鍵」なのではないかなと勘ぐりながら、もう一回じっくり見返してみようと思います。

さておき、みんなこんなんして咀嚼してるんだろうね。それをさせるだけの力を持った映像作品ってやっぱ凄いよ。見た人〜咀嚼を試みた人はドンドン突っ込んで欲しいですよね。僕はブックマークしておいて目を通していなかったネットに転がってる批評を、片っ端から読んでみようと思います。で、ナオミ・ワッツ萌え!

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コメント

cybeck

05.08.04 12:14

リンチ作品ダイスキ!視聴者への裏切り方というか距離感が鮮やかで。
特に本作!
でも見たの随分前だからディテール忘れてる…。
また見たくなってしまいました。何度見てもオモロだからヤフオクでDVD落札しようと思います。はい。

ズモー

05.08.04 21:18

さきほどは、ども!
最近、とみにおっさん化が進んでるズモーです。

マルホランド・ドライヴ、かなり好きな作品の一つです。
本当に謎だらけで、僕は結局、何も分からないまま観終わりました。
何も分からなくても、十分、気持ちよかったのですが、こうして一つ一つ謎を解いていくのも乙ですね。
僕もすっかりディテール忘れてますが・・。

おっさん化した自分としては、やはりオナニー・シーンが忘れられません!

最近、観た中ではヒッチコックの「レベッカ」という映画がすごくよかったです!

是非、観てくださいな!

mcatm

05.08.05 3:06

あーDVD買った方が良いですよね。これは。絶対何度も観ますからね(ナオミ・ワッツ…)。しかもディテールの更にディテールを観たくなるような、そんな作品ですからねえ。僕も欲しいです。スクール・オブ・ロックとこれ。
しっかし、サイベックさんのとこ、書き込めないなーあ。

ずもーさんどうも!俺も同様にオッサン化しましたからね、周りの女子に軽々しく「好きだ」と言えるようになったのが、丁度ずもーぐらいの歳の頃でした。気をつけて!

俺も何も分からないままでいいかなーと思ったのですが、逆に吐き気がしてきて…こんな愚挙に出てしまいましたよ。何かっつうと、次回観るための整理ですよね、このメモ。オナニーシーンは、ガシガシしてたのがいただけませんでした。全く覚えてなかったよ。俺は、ペティがオーディション受けるシーンの方が遙かにエロく感じました!(ナオミ…)結局、解説ページ、一個も観てないなー、今日忙しかったなー。

ヒッチコックは好きですよ。ヒッチコック劇場が観たいんだよね。




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